愛媛県

道後温泉(松山市道後湯之町)

道後温泉は有馬温泉、白浜温泉とともに日本三古湯(にほんさんことう)と呼ばれるように長い歴史があり、文字通り西日本を代表する温泉である。大型ホテルが建ち並び、温泉街そのものは絵になりそうにないが、中心施設の道後温泉本館は国の重要文化財にも指定され、スケッチ対象としても魅力的。この建物は何回も増築され今の姿になったが、一番古い「神の湯本館」は1894年(明治27年)の竣工である。2017年から全面改修が計画されているという。(実際に改修工事が始まったのは2019年1月だった)

道後温泉本館(松山市道後湯之町)2013.06.07        36×51cm
愛媛県は西日本で唯一、空白県になっており、以前からぜひ出かけたいと思っていたが、なかなか実現しなかった。毎年春に「いらかぐみ」のオフ会が開かれるが、好都合なことに2013年は愛媛県西予市の卯之町が会場となった。これを機に松山市に住む学生時代からの友人とも旧交を温めることにして、1日前倒しでとりあえず松山へ。松山と言えば道後温泉本館がまず頭に浮かぶ。昼ごろに松山へ到着後、道後温泉へ直行した。幸い日影が確保でき、快適なスケッチ環境だったが、この建物はいかにも手ごわかった。







道後温泉駅(松山市道後湯之町)2013.06.07        F6
松山へは大阪から高速バスを利用、伊予鉄道松山市駅へ着いた。道後温泉への電車乗り場へ行くと、ちょうど「坊っちゃん列車」が発車間際だったので、これに乗った。名物列車に乗ったので、急に旅行気分になった。複雑な構造の道後温泉本館を描いたら少し疲れたので、ちょっと息抜きに坊っちゃん列車も到着した道後温泉駅を描きに行った。

道後温泉本館あたり(松山市道後湯之町)2013.06.07        36×51cm
松山市内にはほかにも描きたい場所がないわけではなかったが、道後温泉本館は2017年に開かれる愛媛国体の後に全面的に改修されると聞いたこともあり、もう1枚描いておくことにした。1枚目と基本的には同じアングルだが、午後遅くなると宿の浴衣を着た入浴客などが増えてきたので、少しだけ場所を移動して、この建物の周辺の雰囲気も取り込むことにした。

友人とは午後5時半に道後温泉本館前で落ち合うことにしていた。2枚目を描いたが、約束までに少し時間が余ったので、小さな紙に道後温泉本館正面玄関を描いた。玄関の上の額は、1950年に松竹映画『てんやわんや』が撮影された時に、映画の小道具として作られたのが最初らしい。ちょうどこのスケッチを終わりかけたころ、友人がにこやかに現れた。


 道後温泉本館正面玄関(松山市)2013.06.07  F4

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