神奈川県

子安運河(横浜市神奈川区子安通)

子安は旧東海道の川崎宿と神奈川宿の間の漁村だった。旧東海道は国道15号となり、海岸線は埋め立てられて京浜工業地帯になっているが、子安付近は運河の形でかつての水面が残っている。運河沿いの浜通りには作業小屋のような舟屋の建物がずらりと並び、独特な景観を作っている。なんとなく郷愁を誘うため、とても人気のあるスケッチポイントだという。

子安運河・常盤橋から(横浜市神奈川区子安通)       2015.06.20    F6
東京・大井町の品川区民ギャラリーで開かれた第4回日台絵画交流展に出展、これを機に1泊2日で東京へ出かけて、知人との旧交を温めた。さらに欲張ってスケッチも企画した。泊まったのが京浜東北線・大井町駅前のホテルなので、朝早くホテルを出れば、新子安駅から近い子安運河でスケッチをして11時の展覧会オープンまでに帰って来られることが分かった。現地へ行ってみると運河に常盤橋と富士見橋という2本の橋が架かっており、その上からがベストアングルである。しかも橋の上は頭上を走る高速道路で日陰になっている。とりあえずの1枚目は常盤橋から描いた。ところが橋を渡ったところに運輸会社のトラックターミナルがあり、大型トラックが頻繁に通る。そのたびに地震のように橋が揺れ、思わず手すりにつかまった。

子安運河富士見橋から(横浜市神奈川区子安通)       2015.06.20    F6
子安運河での2枚目は北側の「富士見橋」に移動して描いた。こちらはトラックもあまり通らない。名前から想像すると昔はこの橋から遠くに富士山が眺められたのだろう。運河沿いの小屋はほとんどが作業スペースや倉庫として使われているようだが、なかには住居として使われているものもあるようで、洗濯物が干されており、少し前までは鯉のぼりも揚がっていたようだ。反対に船の方も、係留されたままで作業スペースととして使われ、もう航行することがないような感じがするものもあった。とてもややこしくて描くのに手間がかかるが、いかにも興味深いモチーフだった。

子安運河・入江橋から(横浜市神奈川区子安通)       2015.06.20    F6
子安運河へはJR新子安駅から国道15号(旧東海道)を歩いて行った。国道の入江橋からこの景色が見え、瞬間「絵になるなあ」と感じた。帰りも同じルートだったので、再び同じ場所を通った。描きたかったが、描いていると展覧会オープンの11時に会場へ入れないので、写真を撮って帰宅後に描いた。ネットで「子安運河 スケッチ画像」と入れて検索すると、この場所の絵がたくさん出てきた。「皆さんの思いは一緒なんだなあ」と思った。

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