長野県

木曾福島(木曽福島町)

木曽福島は木曽路のほぼ中間点にあって、関所も設けられるなど重要な宿場だった。出かける前にガイドブックなどで調べてみると、大火があったため宿場町の町並みは「上ノ段」というところにほんの少し残っているだけだが、木曽川に面して「崖家づくり」といういかにも絵になりそうな家並みがあることが分かった。とにかくこの2カ所を描こうと、宿を予約した。この日昼過ぎに妻籠を切り上げ、木曽福島へ入った。

木曽福島・崖家づくり(木曾福島町)04・05・28 アルシュ36×51cm
木曾谷はこのあたりで一番幅が狭く、木曽福島は谷底の町とも呼ばれる。崖家づくりは表から見ると普通の商店街の家々だが、裏側は大きく木曽川に張り出している。土地が狭いための苦肉の策だろうが、河原から見上げるといかにも迫力がある。絵を描いていると、対岸の道路を下校する小学生たちの声が頭の上から降ってきた。

木曽福島・上ノ段(木曾福島町)04・05・28  キャンソンF8
「崖家づくり」を描き終わって時計を見るとすでに5時近い。しかし、予約した宿はすぐそこ。「もう1枚描くか」と上ノ段へ。かつて画集でこの風景を見たことがある。現地に宿泊するととてもゆったりした気分で描ける。久しぶりに水性ペンを使った。

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