大阪府

倉治(交野市)

倉治は交野市の中でもとくに長屋門を構えた古い民家が数多くそろっている。江戸時代から換金作物の栽培や素麺づくりなどが盛んだったことを反映しているのだろう。その半面、集落内の道は軽自動車でも通り抜けるのが難しいほど狭く、しかもその道が複雑に入り組んでいる。

   
  倉治N(交野市)2020.04.15     F6   
  午後から自転車で交野市内の倉治地区へ行った。倉治が気に入ってたびたび出かけたのは10年以上前で、久しぶりの気分である。板壁に「堰板」と呼ばれる赤い板がかかっているこのポイントも2007年1月に描いている。堰板とは前の川をせき止めて、消防用の水を確保するための板だそうである。  
 
 
   
  倉治O(交野市)2020.04.15     F6   
  倉治は久しぶりなので集落内をあちらこちらうろついてみた。「ここは描いたことがあるな」というポイントが随所にあったが、結局、1枚目を描いたのと同じ場所に戻り、もう1枚描いた。地区内にある交野市立倉治図書館に立ち寄り、入り口が閉鎖されているのを見て改めてコロナウイルス禍の影響であることを再認識した。  
 
 
     
   倉治M(交野市)16.04.05    F6  
  寺、神宮寺の両集落でスケッチ後、自転車をこかずに行くことが出来る倉治へ回った。あちらこちらに桜が咲いているが、家並みと組み合わせるポイントが見つからない。狭い路地をうろうろしていて、ちょっと珍しい構図の場所に出会ったので、そこで妥協した。  
 
 
倉治L(交野市)2013.09.05      F6
久しぶりに倉治へ行ったが、過去に何回も描いているので、なかなかポイントが絞り込めない。以前にも描いたことがあるFの倉治6丁目の路地を反対側からスケッチした。倉治の集落内の道はとても幅が狭いが、この場所では厚かましくも道の真ん中に椅子を置いた。しかし、幸いにも一度も車が来なかった。左側に少し描き込んだ家の人から「これは我が家ですね」とずいぶん感謝された。

倉治M(交野市)2013.09.05      F6 
倉治地区内を自転車でかなり走り回り、立派な煙出しの付いたお宅があったので、玄関前に椅子を置いた。とても狭い道なので、車は来ないと高をくくっていたが、道の奥の人が出入りするので、何回か道を譲ることになった。この日は曇り。まだ9月初旬なのにすっかり涼しくなり、快適である。

倉治から「河内富士」(交野市倉治)2011.06.14     F6
倉治3丁目で「河内富士」(交野山)と田植え後の田んぼとの組み合わせを描ける場所を見つけた。どこからかカラオケの歌声が風に乗って流れてくる。宣伝カーが「よい子は知らない人に声を掛けられても知らんふりをしましょう」といった意味のことを大声で流しながら通っていく。向こうから倉治小学校の生徒が下校してきた。そのうちの一人が「この川ではザリガニがよく獲れるよ」と解説してくれた。午後の自由時間は流れがゆったり。

倉治K(交野市) 09.02.15   36×51cm
暖かい天候なので、空き時間を利用し、また倉治へ。自転車で走り回ってこのポイントを選んだ。どうも同じような構図の場所を選んでしまう。

倉治J(交野市) 09.01.29   36×51cm  
春を思わせる日が2、3日続いたので、また倉治へ。また前回と同じ場所でスケッチしたが、初めてこの家のご主人が通りかかり「うまく描いてくださいね」と声をかけていった。

倉治I(交野市) 08.11.07   36×51cm
昼食時、朝からの雨も止んだので急遽、”ご近所スケッチ”へ。運動を兼ねて自宅からは少し遠い倉治へ自転車で出かけた。倉治にはスケッチしたくなるポイントが多く、どこで描こうかちょっと迷うが、結局、以前描いたことのある立派な長屋門の前に陣取った。私自身は暑いくらいの思いだったが、もうコートを着た人も通りかかる。季節の変わり目である。

倉治H(交野市)08.07.30  36×51cm
下の絵で、アクセントとなる赤い「堰板」を入れそこなったので、再び描きに行った。用水で子供たちが遊んでいる。覗いてみると今でも水はけっこうきれいで、小魚の泳ぐ姿が見えた。

倉治G(交野市)08.07.10  36×51cm
近場のスケッチは便利である。Fを描き終わり日陰がなくなったのでさっさと帰宅、昼食と昼寝。午後、もう一度同じ倉治へ出かけた。このポイントはDと同じだが、ちょうど通学路になっているらしい。下校時間になり小学生が次から次へとやってくる。小学生の相手をするのは決して嫌いではないので、最初は丁寧に相手していたが、あまりの人数の多さにちょっと面倒になった。

倉治F(交野市)08.07.10  36×51cm
「広報かたの」の裏表紙に町並みスケッチを連載することになったので、地元でスケッチする楽しみが増えた。目的があれば、絵を描くにいく動機にもなる。改めて倉治を歩き、影があるという理由だけでこのポイントを選んだ。

倉治E(交野市)07.01.08  36×51cm 
新年はなかなかエンジンがかからない。天気がよいので、自宅近くのスケッチでお茶を濁す。下の絵とほぼ同じ場所である。板壁に赤い不思議な板が掛かっている。前回も気になったが、何だろうと思って聞いて見ると、火事の時、前を流れる川を堰き止めて消火用の水を確保するための「堰板」だそうだ。不幸なことに実際に役立ったことがあるという。

倉治D(交野市)06.12.19 36×51cm
倉治地区は狭い道が不規則に入り組んでいる。道幅に少し余裕のあるところで描き始めたが、「邪魔になりますか」と言いながらプロパンガス屋さんが同じ場所に車を止めた。ボンベを台車に移しながら「倉治は豪勢なお宅が多いが、道が狭くて配達人泣かせです」とぼやいていた。

倉治C(交野市)06.07.27 36×51cm
下の1枚を仕上げたあと、後を振り向くと倉治地区では珍しく道が遠くまで見通せて「ちょっと絵になるかな」という構図である。スケッチし始めると急に空が暗くなって、今にも夕立がやってきそう。慌てて写真に収め、歴史民俗資料展示室まで引き上げた。途端に激しい雨がやってきた。

倉治B(交野市)06.07.27 36×51cm
倉治にある交野市立歴史民俗資料展示室で「山根街道を往く」と題した資料展示が行われ、私の絵2点も展示された。この展示の様子を見に行ったついでに近くでスケッチした。家々の前の道幅がとても狭く、しかも日陰を確保する必要もあるから、スケッチポイントを探すのに苦労した。

倉治A(交野市)05.05.17 36×51cm   ●
倉治の集落を抜けて、七夕伝説の機物神社や源氏の滝へ続く旧街道がある。「山根街道」と呼ぶらしく、街道に沿ってトタンでカバーされた元萱葺き屋根の民家も点々と残っている。

倉治@(交野市)04・08・04 キャンソンF8
倉治の豪勢な長屋門を構えたお宅の前でスケッチしていると、なかから出てこられた人が「今、私も絵を描いています」と言われる。中に入れていただくと、立派な萱葺きの母屋と離れがあって、庭にイーゼルを立てそれを油彩で描いておられる。珍しい出会いだった。

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