大阪府
 
 
  十三(じゅうそう)駅界隈(大阪市淀川区)  
 
 
  梅田駅を出た阪急電車が新淀川の鉄橋を渡ったところにあるのが十三駅。神戸線、宝塚線、京都線の結節点にある交通の要衝である。十三(じゅうそう)という数字だけの珍しい地名は、条里制に基づくものとか、かつてこの地にあった「十三の渡し」が淀川上流の「淀の渡し」から数えて13番目だったことによるなど諸説あるようだ。駅周辺は昭和30年代の後半から北大阪屈指の繁華街・歓楽街としての色彩を強めたといわれている。  
 
 
   
  十三のY字路(大阪市淀川区十三本町1丁目2019.06.09    F6   
  十三で「仕事」があったのを機に、以前「ションベン横丁」と呼ばれていた十三駅西口前の飲み屋街を覗いてみると、いかにも絵になる風景であることに気が付いた。この横丁は2014(平成26)年3月に39店舗が焼けるという火災があったが、その失礼な呼び方が似合わないほど見事に復活していた。今は「トミータウン」というらしい。この日は梅雨入り前のラストチャンスみたいによく晴れ上がっていたので、スケッチブックを持って出かけた。横丁を通り過ぎ、神戸線の線路を越えている国道176号線の高架の下から振り返ると、いかにも横尾忠則が好みそうなY字路交差点が目の前にあった。左側が狭い横丁。  
 
 
   
  十三の飲み屋街(大阪市淀川区十三本町1丁目)2019.06.09    F6  
  十三での2枚目は「ションベン横丁」と呼ばれていた飲み屋街へ入って描いた。この辺りは火災後に建物そのものが建て変えられため、軒が揃った綺麗なものになっており、看板もしゃれている。まさに「トミータウン」との呼び方がふさわしくなっている。左手前の日本酒を売り物にした居酒屋の若いママが出勤し声を掛けてきたので、「見事に復興しましたね」というと、「私も火災前のことは知らないんですよ」という。火災を機に経営者もかなり入れ替わったのかも知れない。  
 
 
   
  新淀川河川敷から梅田のビル群(大阪市淀川区2019.06.09    F6  
  十三での3枚目を描くため新淀川河川敷に行った。十三大橋と新十三大橋の間に架かるNTT十三専用橋の日陰から釣り人と並んで対岸の梅田界隈の構造ビル群を描いた。左側の橋が十三大橋で、その向こうが阪急電車の鉄橋である。新淀川河川敷から梅田界隈のビル群はひまつぶしさんがたびたびスケッチされているが、どうもビルの様子が違う。帰宅後ホームページで確かめると、ひまつぶしさんはもう少し上流の大阪メトロ・西中島南方駅付近で描かれたことが分かった。  
 
 
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