島根県

簸川(ひかわ)平野(出雲市斐川町)

簸川平野は出雲平野とも呼ばれ、宍道湖の西に広がる穀倉地帯である。風から守るため、きれいに刈り込まれた築地松で囲まれた農家が散在することで知られる。以前はたくさん見られたが、手入れに費用が掛かることや、松くい虫の被害が出て、次第に数が減っているという。島根県でのスケッチ計画を検討している時、「いらかぐみ」の先輩・七ちょめさんから「築地松を描かずして出雲に行ったとはいえません」とのアドバイスを受け、その気になった。

簸川(ひかわ)平野の「築地松」@(島根県出雲市斐川町福富)2014.05.30     36×51cm
「築地松」のある風景を描くため松江市から宍道湖畔を西へ簸川平野へ向かった。広い平野を当てもなく車を走らせても的確なスケッチポイントが見つかるとも思えないので、出発前にネットで調べて斐川町原鹿にある「豪農屋敷」に的を絞っていた。出雲市が管理している施設である。その屋敷そのものは「森の中にある」といった雰囲気で絵にはならなかったが、管理人に「この辺りに築地松が3、4カ所まとめて見え、しかも涼しくスケッチできる場所はありませんか」と厚かましい質問をしてみた。するとすぐ近くの福富にある都牟自神社の境内を紹介された。この日は気温が30度近かったが、神社の森を吹きぬける風は涼しく、最高の気分でスケッチした。

                                                    お世話になった福富の都牟自神社の森 →→


簸川(ひかわ)平野の「築地松」A(出雲市斐川町福富)2014.05.30     F6
神社の境内は涼しくて動きたくなかったが、そうもいかない。鳥居をくぐって森の外へ出ると形の良い築地松が見えたので、もう1枚描くことにした。かんかん照りなので、電柱の陰が延びている畔に座り、ちょうどとトランスで陰が膨らんだところに私の頭とスケッチブックが来るように工夫した。鉛筆段階までなら普通の町並みスケッチと違い、幸いなことに時間はそれほどかからないので、暑さを感じる前に終わった。

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