秋田県

増田(増田町)

秋田県南部に位置する「増田」は近世に市が立ち、周辺で栽培される葉タバコや繭の集散、加工地として栄えたそうだ。明治に入って増田銀行や増田水力発電といった企業がここで創業されたという。町の中心部を南北に貫く県道108号線に沿って、そうした繁栄ぶりを物語る町並みが残っていた。町でもこの通りを「くらしっくロード」と名付け、町興しにつなげようという意気込みを見せていた。

増田1(増田町)05.05.20 36×51cm
通りを歩くと凝った妻飾りを施した大型の妻入り民家が目につく。そうした家が2軒並んでいる場所で描くことにした。時間不足のため、木々の緑を着色する前の段階で終わりにしたが、描き込むよりかえってよかったかなと思っている。







関西と違って東北では町でスケッチしていても声をかけられることがあまり多くなかった。しかしここではわざわざ名刺を出してねぎらいの言葉をかけてくれた人がいた。あとで名刺を見ると銀行の支店長だった。増田銀行は現在、北都銀行増田支店になっており、発祥の地の碑があった。

増田2(増田町)05.05.20 36×51cm
同じ通りに古い民家を今風に活用した建物があった。何となく「くらしっくロード」という名前にふさわしいような気がした。このあたりは日本でも有数の豪雪地帯。路地の奥には屋根の雪止め、雪囲い、燃料を入れるドラム缶など「冬」が残っていた。

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