岐阜県  
 
 
  川原町(岐阜市湊町、玉井町、元浜町)  
 
 
  「川原町(かわらまち)」は、山頂に岐阜城が聳える金華山の麓にある町で、長良川に架かる長良橋南詰めから南へ広がる。もともと長良川の水運により、木材や美濃和紙の集散地として栄えた。岐阜市内は空襲の被害も大きかったが、この町は戦災を免れ、古い町並みが残っている。川原町というのは通称で、正式な町名は湊町、玉井町、元浜町というが、湊町は長良川名物の鵜飼の基地としても賑わっている。  
 
 
   
  川原町①(岐阜市元浜町)2019.05.26    F6  
  いらかぐみオフ会の2日目の朝、車4台を連ねて美濃市から岐阜市の川原町へ移動した。とりあえず皆さんと一緒に町内を貫く通りを突き当たりの元浜町まで歩き、そこから気に入ったポイントでスケッチしながら戻る作戦を立てた。元浜町は以前は材木商が並んでいたようだが、今は建物がレストランやカフェなどとして活用されている。正面に大きな水門が見えたので、古い町家を利用したレストランとの組み合わせを描いた。どの家も軒下には名産の岐阜提灯がつり下げられている。  
 
 
   
  川原町②(岐阜市元浜町)2019.05.26    F6  
  川原町(かわらまち)の南の端で1枚目を描いている間に、いらかぐみの皆さんは別の町への探訪へ出かけられ、オフ会は流れ解散となった。川原町の目抜き通りを少し戻ると、間口は狭いのにいかにも奥行きがありそうな家があった。表には看板も暖簾も出ておらず仕舞屋風なのだが、裏へ回ってみると下見板張りを巡らせた土蔵などの豪壮な建物が連なっており、いかにも商業地として繁栄したこの町らしい建物である。横道にちょうど小さな木陰があったので、椅子を出して2枚目を描いた。  
 
 
   
  川原町③(岐阜市玉井町)2019.05.26    36×51㎝  
  川原町で一番整った古い町並みが残っているのは中心部の玉井町なので、3枚目を描くことにした。町はすっかり観光地化しており、京都・祇園などでよく見かける結婚式の前撮りが行われていた。そのうちにカメラマンが「画面に姿が入ってもいいですか」と言ってきたので「そちらさえ良ければどうぞ」とOKした。しかし新婚カップルの後ろに年寄りのスケッチ姿が映っていても良いのかどうかは分からない。最近、現地では鉛筆スケッチだけで、着色は写真を見ながら行うことがほとんどだが、このアングルの写真を撮り忘れていることに後で気が付いた。花嫁に目を奪われていたわけでもないが、何しろ覚えているのは目の前のポストの色だけ。ちょっと慌てたが、幸いネット上に多くの画像があり、それらを参考に適当に色付けした。  
 
 
   
  川原町④(岐阜市湊町)2019.05.26    F6  
  川原町の一番北、長良川に面した湊町が鵜飼の基地である。子供のころ長良川の鵜飼見物に連れて行ってもらった経験があるが、屋台の照明に使っていたカーバイトの強烈なにおいが記憶に残っているだけ。何しろ暑いので、長良橋の下の日陰に入り、涼しい川風を受けながら、屋形船が舫っている船だまりを描いた。いかにも「岐阜」という風景を描いたし、前日から暑い中でずっとスケッチを続け合計11枚も描いたので、少し時間は早かったがこれで切り上げることにした。  
 
 
  岐阜県美濃市へ  
  「東海・北陸の旅」目次へ