京都府

西陣京極(京都市上京区)

千本中立売、略して千中と呼ばれるあたりには、かつて牧野省三を座主とする「千本座」ほかの映画館が数多く立地し、日本映画発祥の地といわれる。映画だけでなく京都市西部の中心的な繁華街、歓楽街として繁栄していた。この心臓部が「西陣京極」であった。

西陣京極商店街A(京都市上京区       2015.06.02    F6
浄福寺の南門を抜け一条通へ出ると「西陣京極」という街灯を掲げた小さな商店街の入り口に行き当たる。商店街は南北と東西の2本の狭い道路から成り立っており、東西の道は千本通へ通じている。商店街とはいえ主として小料理屋や居酒屋などが軒を連ねており、店に交じって「京極湯」という銭湯まである。以前の「西陣京極」は千本通を中心としたもう少し広い地域を指し、寄席や芝居小屋、映画館が建ち並ぶ京都を代表する興行街、繁華街の一つだったという。しかし、今ではこの裏通りの小さな商店街にその名前をとどめているに過ぎない。西陣京極商店街の北の入り口に座ってスケッチしたが、実は同じ場所から2度目のスケッチ。最近、きれいに整備されたいわゆる古い町並みより、こうした雑然とした町並みの方に魅力を感じるようになってきた。

西陣京極商店街@(京都市上京区)06.03.20 36×51cm
京都で「京極」といえば修学旅行生がぞろぞろ歩く新京極、競技場のある西京極が有名だが、ほかに寺町京極、松原京極、田中京極、山科京極、西陣京極などがある。西陣京極は「ゲタ履き京極」とも呼ばれる庶民的な繁華街だったそうだ。今は空き地も目立ち、かつての賑わいはないが、西陣京極商店街は飲み屋街として健在なようだ。

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