三重県

島ヶ原(伊賀市)

島ヶ原は旧大和街道の宿場町として栄えた。町内の旧街道を歩くと、古い雰囲気の家並みがわずかに残っており、本陣だったという建物もあった。旧島ヶ原村は04年11月に合併で伊賀市の一部になった。

島ヶ原C(伊賀市)10.04.10    F6
JR関西本線に島ヶ原駅がある。駅舎が風格あるのものだったらそれを描こうと思い駅へ行ってみたが、もう一つ食指が動かなかった。最初に描いた旧大和街道の絵があまり気に入らなかったので、元の場所へ戻り、アングルを変えてもう1枚描き、締めくくりにした。通りかかる町の人がみんな親切で、とても穏やかな気分でスケッチした1日だった。

島ヶ原B(伊賀市)10.04.10   36×51cm
最近バイパスができたが、島ヶ原には国道163号線の旧道が通っており、木津川に架かる鉄橋が印象に残っていた。旧大和街道を進むと、自然に川岸に出た。川向うの家並みが楽しいし、見覚えのある鉄橋も見える。せっかくだから鉄橋の袂まで行き、鉄橋と家並みの組み合わせを描いてみた。「昔は赤い鉄橋だったが、緑色に塗り替えられた」と地元の人に教えてもらった。

島ヶ原A(伊賀市)10.04.10    F6
島ヶ原は木津川の河岸段丘に発展したようで、旧大和街道や国道163号線の旧道など並行して町を抜ける通りに高低差がある。旧大和街道より一段高いところに細い道があり、旧街道沿いの家並みを見下ろすことができる。2枚目にはそうした構図を選んでみた。

島ヶ原@(伊賀市)10.04.10   36×51cm
与堂さんが描かれた素敵な絵を思い出し、「そうだ、島ヶ原へ行こう」という気になった。与堂さんの絵で火の見櫓が印象に残っていたので、それを目印にした。このポイントには旧本陣の建物も残っていた。絵の左側に描いたお宅のご主人が「3年ほど前に半鐘泥棒が頻発したので、鐘を外してしまったのですよ」とおっしゃる。その事件をよく覚えていたので「復元しておきますね」と言って、鐘を描き込んでおいた。

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