奈良県

信貴山(平群町信貴山)

信貴山は生駒山脈の尾根を走る信貴生駒スカイラインの南端にある。信貴山寺とも呼ばれる朝護孫子寺(ちょうごそんしじ)は毘沙門天を本尊とする真言宗の由緒のあるお寺だが、山の上の複雑な地形に多くの建物がひしめき、絵になりそうな印象である。大阪府と奈良県の境界付近に位置しているが、お寺の所在地を調べたら奈良県平群町。しかし、境内の端の方には奈良県三郷町のマンホールもあった。

玉蔵院付近(平群町信貴山)2014.01.06          F6
正月休みが終わったこの日、朝から青空が広がり、暇なので、夫婦で「初詣にでも行くか」との話になった。とはいえ、信仰心もないことだし、場合によってはスケッチもできそうということで、信貴山を選んだ。境内を歩いていて塔頭の一つ、玉蔵院(ぎょくぞういん)付近が気に入った。道の上に渡り廊下がある変化に富んだ建物で、赤い旗がアクセントになっている。たまたまお坊さんが通りかかったので、点景に描き込んだ。

            
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信貴山(平群町信貴山)2014.01.06          F6
境内を歩いていて屋根の向こうに朝護孫子寺の本堂が見渡せる場所に出た。本堂の背景には大和平野が広がっていてなかなかいい景色である。案内マップによると信貴山には宿坊を兼ねている塔頭が3寺ある。30歳代初めのころ、会社の連中と信貴山で泊まりがけの大宴会をやったことがある。どの宿坊だったか思い出せないし、とにかく「般若湯」をたらふく飲んだことしか覚えていない。般若湯を注文するたびに、腰が直角に曲がった老婦人が銚子をお盆に載せて運んでくるので、まことに申し訳ないような気分だったことだけ、なぜか鮮明に覚えている。複雑に入り組んだお寺の屋根を見下ろしながらふとそんなことを思い出した。

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