奈良県

三輪(桜井市)

桜井市三輪には大神(おおみわ)神社がある。三輪明神とも呼ばれ、日本で最も古い神社の一つ。山麓には古代に海柘榴市(つばいち)という市があり、とてもにぎわっていたという。明治以降、磯城郡役所が三輪に置かれ、奈良盆地東南部の行政の中心だったこと、三輪そうめんという地場産業があることなどから今の町並みが形づくられたといえる。

三輪・上街道A(桜井市)10.01.08    36×51cm
下の絵を描いていると、突然、雪まじりの小雨がパラついてきた。もう引き上げようかと思っている時、1枚目を描いている時に声をかけてもらったTさんにまた出会った。少し話が弾み、ついお宅にあげてもらいコーヒーまでごちそうになってしまった。物好きにも寒いなかで描いている姿に憐みを感じられたのかもしれない。1杯のコーヒーで元気を取り戻し、外へ出ると天気も回復しているので、もう1枚、描く気になった。同じ上街道沿いで、かつては何か商売をしておられたらしく、大きな看板を掲げた家に焦点を当てた。

三輪・上街道@(桜井市)10.01.08    36×51cm
三輪の町なかを、古代から奈良と桜井を結んでいた上街道(上ツ道)が通っている。2枚目はその街道で描いた。右手前にいかにも老舗らしい店構えの家があり、暖簾は出ているのに店はいつ行っても閉まっている。不思議に思って帰宅後に調べてみると、この店は「みむろ」という最中(もなか)を扱う「白玉屋永寿」という会社の旧本店だそうである。1844年(弘化元年)の創業で、1977年(昭和52年)に近くの国道沿いに新本社屋を建てて移転したが、旧本店は”非営業店”として保存しているという。保存には経費もかかると思うが、こうした姿で保存されることは古い町並みファンとして歓迎すべきこと。今度出かけたら「みむろ」を買って帰ろうと思う。

三輪C(桜井市三輪)10.01.08   F6
比較的暖かそうだったのでちょっと遠出し、三輪へ行った。日向を探して、JR三輪駅に近い路地で取りあえず1枚。以前にも描いた三輪@と同じ場所で、その時、ご近所にお住まいの方に親切にしていただいたが、今回もまた同じ人に出会い、さらにいろいろ心遣いをいただいた。この細い道をまっすぐ進むと大神神社があり、向こう側から何となく賑わいが伝わってくる。

現役の医院(桜井市三輪)07.02.26 36×51cm
三輪の町なかに、よく手入れされた文化財のような建物の医院があり、一度描きたいと思っていた。旧家にはお医者さんも多いが、、これほど立派でしかも改造されていない建物は珍しい。ただ、スケッチしていて、この場所の欠点に気がついた。医院がとても繁盛しているのである。来診の車がひっきりなしで、スケッチしている目の前にも車を止められて、ずいぶん苦労した。逆に道端で絵を描いているのも邪魔な存在だったかもしれない。

三輪そうめんの天日干しA(桜井市)07.01.19 36×51cm 07・06
下の絵を描いたあと、車を止めてあった初瀬川の対岸まで戻ると、手前に葦が茂り、バックに三輪山が見えたため、写真に撮って帰り、絵にしてみた。絵にする時、天日干しのそうめんの量を少し増やしておいた。

三輪そうめんの天日干し@(桜井市)07.01.19 36×51cm 07・05
「冬、晴れ、平日、午前中」という4つの条件がそろうと、三輪で「寒そうめん」の天日干し風景が見られるという。下の絵を描いた時に聞いたものだが、いくら閑人でも4つも条件がそろうことはめったにないので、それっ!と出かけた。場所も確認済みで、見込んだとおり、そうめんが干してある。確かに昼前になると、そうめんはすべて工場の中に姿を消した。乾燥した風に2時間当てれば引き締まっためんになるそうだ。

三輪C(桜井市)06.12.23 36×51cm
三輪の初瀬川の土手に沿って豪勢な家が軒を並べる古い町並みがある。聞けばこの場所はそうめん屋さんの町である。この日は土曜日で祭日とあって、普段は通勤などに使っている車がみな町に止められ、通りは駐車場状態だった。「そうめんを干してある風景が描きたいのですが」と言ったら「平日の午前中なら裏手の川沿いでみられますよ」とのことだった。また冬の日の宿題ができた。

三輪B(桜井市)06.11.04 36×51cm
久しぶりに桜井市の三輪へ行った。改めて町なかを歩くと魅力的なスケッチポイントがいっぱいある。この場所は狭い道の交差点に面しているが、昔の県道で今も抜け道になっているらしく、車の通行量が極めて多い。スケッチした民家も角を削り取られている。軒下を拝借したお店のご主人にとても親切にしてもらった。(10年1月にこの場所へ行くと、角の家の場所は駐車場になっていた)

三輪@(桜井市)04・01・12 F8
成人の日、あまりにも天気が良いので三輪へ出かけ、JR三輪駅に近い東町でスケッチブックを広げた。たまたま描いた右側の家は昭和初期から終戦直後まで有名出版社の社長を務めた方の実家だそうで、「戦前は帰郷のたびに警備で大変だった」と近所の人が教えてくれた。

三輪の町を歩くと古い様式の民家が数多く目に付く。中でもこのお菓子屋さんは2階の低さなどから見て江戸時代の建築と思われる。大神神社の大鳥居のそばにはもっと年代が古そうな家もあった。


三輪A(桜井市)04・01・12 F6

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