奈良県

田原本(田原本町)

田原本町は奈良盆地のちょうど真ん中にある。藤原京と平城京を結んでいた下ツ道(中街道)沿いに発展した町で、環濠集落、寺内町、陣屋町としての歴史も持っていて、町内中心部は碁盤の目状の細い道筋に伝統的な町屋が多く残っている。

田原本4(田原本町)06.04.18 36×51cm
天気が良く2日連続のスケッチだったが、通りかかった女の人が「昨日は大宇陀への途中のバス停で描いておられましたね」という。まさに私のことである。わざわざ車を止めて「突然で失礼ながら岸本さんでは」という方もいた。初対面だが、この人は私のサイトを見ておられる。この絵はこの日の2枚目。ちょっと疲れたので鉛筆スケッチの段階で切り上げようかと思っていたら、ご近所の方から路上にコーヒーの差し入れをいただいた。ありがたいことなので、途中でやめるわけにはいかなくなった。12年前に描いた下の絵と同じ場所である。町並みが少しも変わっていないことがうれしかった。

阪手北(田原本町)06.04.18 36×51cm
明日香や桜井へ向かうとき、田原本町の阪手北という交差点で24号線を左折することが多い。その交差点のそばに重厚な建物が連なっているのが気になっていた。改めて阪手北の集落へ足を踏み入れてみると、いかにも大和路らしい落ち着いた集落である。この場所にバイパスができて、古い家並みが言わばむき出しになったのである。極端に枝を切り詰められた道端の大木が印象的である。

田原本3(田原本町)04・03・27 36×51cm
町を南北に貫く下ツ道に面した鍵岡薬局をスケッチした。ご主人が出てこられ、お話を聞くと天保3年の建築だそうだ。「古い家は住みにくくて・・」とおっしゃるので、「宝ですから大切にしてくださいね」と無責任なお願いをしておいた。
(ホームページを開設していることをお話ししたら、翌日、掲示板に書き込みをいただいた。「春めきて我が家を描く人もあり」「春うらら古き我が家も絵となりぬ」との句が添えられていた) 

田原本2(田原本町)94・06・25 F8
このころ、奈良県下の各地を訪ねていた。細い道が入り組む町の中心部を車に積んでいった自転車で走り回り、スケッチポイントを探した。近鉄田原本駅に近い浄照寺の見える道筋を描いた。

田原本1(田原本町)94・06・25 F8
町の中心部にはかつての富の蓄積を物語る落ち着いた町並みが残っていた。

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