奈良県

洞泉寺町(大和郡山市)

大和郡山市の近鉄駅とJR駅のちょうど中間あたりに元は花街だった「洞泉寺町」がある。町内には町名と同名のお寺と源九郎稲荷神社があり普通の住宅も建て込んでいるが、遊郭だった大廈高楼が6、7軒残っている。なかには3階建てもある。
 
 
   
  取り壊される遊郭建築(大和郡山市洞泉寺町)2020.03.02     F6  
  奈良にお住まいの歩さんから、大和郡山市の洞泉寺町にある遊郭建築が近く取り壊しになるとの情報をいただいた。同町には現在木造3階建てなどの遊郭建築7棟が残っているが、このうち町内のお寺の所有になっている4棟が、老朽化などを理由に3月にも取り壊されるという。これらの建物はスケッチを始めた当初から折に触れて描いてきている。このため最後にもう一度スケッチしておこうと、この日午後、少し時間ができたので車を走らせた。行ってみるとこれまで人影なんか見られなかった建物前の狭い道に観光客らしい人が溢れていて少し驚いた。取り壊されるのはスケッチした3棟と角を曲がったところにある1棟。スケッチに夢中で気が付かなかったが、後で聞くとこの日、最後の一般公開が行なわれていたとのことだった。  

   
  洞泉寺町E(大和郡山市)2019.03.31  36×51p  
  悠彩会スケッチ会の最後に洞泉寺町へ行った。元遊郭の建物が別の用途に転用されたり、公開施設となっているものもあって、以前スケッチしたときとほとんど変化していない。今回、市内中心部で古い建物が取り壊されてしまった事例を多く目にしたため、むしろ一番保存状態の良い場所かも知れない。町内の源九郎稲荷神社では、ちょうど例祭をやっているようで、町内も大賑わいであった。しかし鳥居の前に建つ建物を描き始めた途端に雨が降り出した。少し描いては様子を見ていたが、止みそうにないのであきらめて、続きは写真から描いた。  
 
 
洞泉寺町D(大和郡山市)2013.10.17      F6
稗田環濠集落の帰りに大和郡山の市街地中心部にある洞泉寺町へ寄り道した。同じ場所で下の@の絵を描いたのは、1992年春である。それから21年以上を経た現在、当時スケッチした市内のあちこちの場所は再開発ですっかり姿を変えてしまった。しかし洞泉寺町のこの場所は、突き当りの家の様子が変わっているものの、手前の建物は全く変化なしである。私の腕も変化なしというのが少し情けないが…

洞泉寺町C(奈良県大和郡山市)  2012.08.16         36×51p
暑さに加え、野暮用があってなかなかスケッチに行けない。この日は自宅から比較的近い大和郡山の洞泉寺町で描くことにした。3階部分に櫓があるこの建物は、下に掲載しているように1992年4月に描いたことがある。20年ぶりに同じ角度からとも考えたが、やはり目新しい方がいいと思い直し、反対の北側から描いた。ここへ行った時には道路の東側に日影があり、抜群のスケッチ環境だったが、やがてその日影が次第に細った。

洞泉寺町A(大和郡山市)04・08・08        36×51cm
洞泉寺の門の前でスケッチしていると「市内にはもう1カ所、岡町という花街があったが、洞泉寺町の方が格が高かった」とわざわざ説明してくれる人もいた。かつては大和一円だけでなく、河内や山城からも客を集めていたという。

洞泉寺町は小さな町なのにお寺が2軒、神社もある。門や鳥居のすぐ前に遊郭があり、精進落としには少し便利すぎ?。













洞泉寺町B(大和郡山市)
04・08・08          F8

この絵は92年春、同じ町内で3階部分に櫓がある珍しい建物を描いたもの。狭い道から首を痛くしながら見上げて描き、形を正確に写し取るのにずいぶん苦労した。













                      洞泉寺町@(大和郡山市)92・04・18          F8

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