奈良県

若草山あたり(奈良市)

奈良公園の東にある若草山は海抜342メートルの小山だが、市街地のどこからでも眺められ奈良市のシンボルともいえる。全体がノシバに覆われており、毎年1月に行われる山焼きが有名。遠くから眺めたりスケッチしたことがあるが、この山へ登れば素晴らしい俯瞰が描けることを知った。

若草山からA(奈良市雑司町)       2015.05.05     36×51p 
この日は、「ぶらりすけっち教室」の展覧会訪問を兼ねて奈良へ行った。14年春に描いた若草山からの俯瞰スケッチ(↓の絵)が個展で嫁入りしたので、もう一度描くことにした。ただし前回は一重目の頂上まで登ったが、今回は手を抜いてゲートからすぐの芝生の斜面で描いた。かなりの傾斜だが、ところどころに丸太のベンチが設けてあり、そこへ座ると快適スケッチが楽しめる。眺望もまずまずで、興福寺五重塔から東大寺大仏殿までをスケッチ範囲と決めた。しかし、やはり奈良市街地の表現がめんどう。GW真っ最中のこどもの日なので、近鉄奈良駅周辺は観光客で溢れていたが、若草山の草原は歓声を上げながら走り回るこどもたちの姿が目立った。

手向山八幡宮から(奈良市雑司町)       2015.05.05     F6
若草山の斜面で描いたあと「ぶらりすけっち教室」へ向かう途中でもう1枚描きたかった。新たなポイントが思い浮かばないまま、二月堂方面へ歩くと、その手前に手向山八幡宮があり、その境内から今来た方向を振り返ると案外面白い。奈良の名物である墨と一刀彫・奈良人形の店が並んでおり、これこそ奈良らしい風景である。暑い日だったので涼しい木陰が気持ち良い。「ぶらりすけっち教室展」はこの日が最終日で、何と出展者でもある歩さんが会場でそばを打っているという。厚かましくも、そばを「アテ」に美味しいお酒までごちそうになり、楽しい一日だった。

若草山から@(奈良市雑司町)2014.04.14      36×51cm   
Sutaniさんから掲示板に「奈良の若草山から俯瞰を描きましたよ」と素晴らしい作品を投稿していただいた。「そういう手があったか」と、さっそく追っかけた。若草山には中学か高校の時に登ったことがあるような気がするが、よく覚えていない。重い絵の道具を抱えて階段を登るとさすがに息が切れる。登山用のモノレールの建設計画があると聞くが、バカなことを思いながら、つい理解を示したくなる。その代わり高い所へ登った甲斐はあった。説明は不要と思うが、手前左側の山裾にみやげ物屋が並び、その上の大きな屋根が奈良県新公会堂、さらにその向こうに奈良ホテル、奈良国立博物館、興福寺五重塔などが見える。右へ視点を移すと中央に奈良県庁の四角なビルがある。その手前に東大寺の境内が広がり右端が大仏殿である。遠くの生駒山まで延々と奈良市などの市街地が続いている。風が多少強かったが、思わず鼻歌が出るような気分でスケッチした。

若草山からA(奈良市雑司町・春日野町)2014.04.14      25×41p 
若草山には南と北の二つの登山ルートがあり、今回は南から登って北へ降りた。降りる途中で山麓にずらりと並ぶみやげ物屋街の様子が面白いので、登山道脇に座り込み、もう1枚スケッチした。背景には奈良盆地南部の風景が広がる。右手の高い山は葛城山。大和三山も遠望できる。山頂にいる時は風が強くて寒かったが、日当たりのよい山腹のこの場所では暑くて、すぐに上着が要らなくなった。

若草山の麓(奈良市雑司町)2014.04.14      F6
若草山の麓にみやげ物屋や旅館がずらりと並んでいる。こまごまとした商品が並ぶ店先の様子が面白かったので、おまけでもう1枚。この道の後ろ側には東大寺二月堂があり、前へ進むと春日大社へ至るので、そぞろ歩く観光客の数は多い。

奈良市・奈良公園へ
「近畿の旅3」(奈良、滋賀)の目次へ