兵庫県

矢名瀬(山東町)

国道9号線と427号線の合流点にある山東町矢名瀬に小規模だが極めて魅力的な町並みがある。JR山陰線の駅や小中学校、郵便局は「梁瀬」の字を使うが、地名は「矢名瀬」の字を使っている。

矢名瀬1(山東町)91・09・16 F6
近ごろ、古い町並みの中にある銀行の店舗を町屋風に造り直す例があり、ちょっとわざとらしい感じがしないでもないが、この店舗はもともとが町屋風である。元は朝来銀行で、この時は但馬銀行梁瀬支店だった。人力車が横付けしても似合いそうな玄関がよかった。ただし、最近この町を訪ねたらいつの間にか姿を消していた。(同行の店舗案内によると町役場近くに山東支店がある)

矢名瀬2(山東町)01・04・30 F8
この町で一番気に入っているのが、品のよいうだつを上げたこのお宅。向かい側に造り酒屋をやっておられる旧家があって、絵を描くのに軒を借りていると「うちも一度見てください」と家の中へ招き入れてくれた。

矢名瀬3(山東町)91・09・16 F6
一番上の絵と同じ日に描いた。元は醤油屋さんだったそうで、1軒の家にうだつが3本上がっているのが珍しい。「いい家ですね」と声をかけると「冬は寒くてやり切れません」という答えが返ってきた。伝統的な家を守り続けるのは難しいものだ。

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