奈良県

長谷寺あたり(桜井市初瀬)

門前町というのも古い町並みを探すひとつの手がかりである。それなら長谷寺はどうかなと思って出かけた。なかなかいい町並みが残っている。駐車場などは完備しているものの、スケッチには長谷寺が売り物にしているボタンの季節だけは避けた方が賢明だろう。

   
  長谷寺を仰ぐ@(桜井市初瀬)21.09.30   36×51p   
  文句の付けようのない好天である。「どこかへ行きたいね」というFさんの声に誘われ、長谷寺へ行くことにした。ボタンの花で知られる長谷寺だけに完全にシーズンオフで、参拝客も少なかろうとの読みである。本堂など伽藍を見上げる興喜天満神社の参道の橋の上に陣取り、下を流れる大和川)初瀬川)の流れを入れて描いた。同じ構図で3回目のスケッチだが、左手前の料理屋さんの建物が大きくなりすぎて失敗。  
 
 
   
  旧初瀬街道(奈良県桜井市初瀬)21.09.30   F6  
  長谷寺の麓を流れる大和川(初瀬川)の対岸の道に沿って古い家並みが見えた。地図で確かめると「旧初瀬街道」とあり、昔は現在の参道とは別のこの道がメインの参道だったようだ。旧道に沿って並ぶ旧家のうち蓮歌(レンゲ)橋という赤い欄干の橋の袂にある「的場家」を描いた。案内パンフによると、この家は「福地屋」と言う屋号で油屋を営んでいたという。  
 
 
   
  長谷寺を仰ぐA(桜井市初瀬)21.09.30   F6  
  折角だから入山料を支払って長谷寺の境内に入った。五重塔などどこかでスケッチしたいという気分はあったが、境内はやはりスケッチ禁止のようである。そのため山を下ってきて、最初に1枚描いた橋の1本上流に架かる橋からお寺の境内を見上げ描いた。  
 
 
長谷寺参道の俯瞰(桜井市初瀬)2015.11.28     51×36p
紅葉の季節、どこかいいスケッチ場所はないかなと思っていた時、ひまつぶしさんのサイトに掲載された素敵な絵を見てさっそく追っかけた。長谷寺への参道を進むと右側の山手に與喜(よき)天満神社という神社があり、そこへ登る石段から長谷寺参道を見下ろすことができる。参道沿いの家並みは弓なりに湾曲しており、絵になる風景である。

與喜天満神社への道(桜井市初瀬)2015.11.28     F6
長谷寺参道から分かれて與喜天満神社へ登る石段の手前に、初瀬川に架かる赤い欄干の橋がある。この橋の上から今スケッチしていた石段を見上げた風景が面白いと感じ、2枚目に選んだ。登り口にある建物は神社関係のものらしい。橋を渡ったところになぜか大量の洗濯物が干してあり、失礼ながらそのままスケッチした。

長谷寺参道の俯瞰A(桜井市初瀬)2015.11.28     23×41cm
3枚目を描くため新たなスケッチポイントを探しながら周辺を少しうろついた。墓地からの眺めが良いことが多いが、ここでも高い所に墓地が見えた。上ってみると墓地よりさらに高い所を横切る山道があって、日当たりも良い。眼下には長谷寺参道に沿った家並みが続いている。以前、道路から描いたことのある家々で、かつては家並みが連続していた。しかし、今はところどころが空き地になっていて、その部分では道路を行き交う参拝客の姿が見えた。

長谷寺参道B(桜井市初瀬)2015.11.28     F6
高い所から見下ろして描いた長谷寺参道へ下りた。以前にも描いたことがあるポイントなので、長谷寺側を背にして反対向きに描いてみた。家が取り壊されてできた空き地にテント掛けの土産物屋ができ、地元産品などを売っている。店のご主人が道を渡ってやってこられ「絵が描ける人はいいですなあ」などと声を掛けてくれた。

長谷寺参道C(桜井市初瀬)2015.11.28     F6
この日一番最初に與喜天満神社への石段から見下ろして描いた長谷寺参道の弓なりにカーブした家並みが面白いので、もう一度アップで描きたいと思った。石段を上り下りしてポイントを探したが、もう一つ良いアングルがない。妥協策として参道脇からその家並みを描いてみることにした。

長谷寺あたりA(桜井市初瀬)07.03.10 36×51cm
長谷寺参道で1枚描いた後、長谷寺を見上げることができる初瀬川の橋の上に行った。下の絵と同じ場所だが、木々が裸のためその時よりも長谷寺の建物がよく見える。この寺の建造物のなかでとくに印象に残る「登廊(のぼりろう)」(重文)をちょっと強調して描いておいた。この場所は目の前の景色に広がりがあるうえ、橋の前後が階段のため車は絶対に通らず、人通りもほとんどなくて、スケッチには理想的である。

長谷寺参道A(桜井市初瀬)07.03.10 36×51cm
何年かぶりに長谷寺へ行って、以前描いたのと同じ場所で描いてみた。出来上がった絵が何となく寂しい。帰宅して01年7月に描いた絵(下の絵)と比べてみてその原因が分かった。「町並み」というのは家が切れ目なく連続していて初めて魅力が生まれる。参道を通る参拝客は多いが、すべての店が繁盛しているとは限らないようで、6年ほどの間にこの通りもずいぶん歯抜けになっている。

長谷寺あたり@(桜井市初瀬)02・05・11 F8
悠彩会のスケッチ会が長谷寺で開かれた。ゆったりとした昼食や雨による中断などを含め、一日がかりの絵になってしまった。途中で帰ってしまった人もいたが最後まで粘った。

長谷寺参道@(桜井市初瀬)01・07・07 36×51cm
門前町を歩いていくとこの風景がまず目に止まる。お寺の門まで歩いていって、やっぱりここかと引き返してきた。慣れないアルシュの粗目にこれまで使っていた水性ペンで描いた。当然まったくペンが走らない。画面の左側から描いていったらだんだん右下がりになってしまった。ここは若干だが上り坂。失敗してしまった。

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