奈良県

旧・室生村(宇陀市室生)

室生寺があり、旧初瀬街道が通る旧室生村は2006年1月、榛原町、大宇陀町、菟田野町と合併し宇陀市となった。奈良県北部の一番東にあり、三重県名張市と接している。面積のほとんどを山林が占めるが、近鉄大阪線が横切り、交通の便は案外よい。

   
  「室生寺」(宇陀市室生)2018.05.10    F6  
  この日は浪漫会のスケッチ会で室生寺へ。リーダー・山田さんが決めた今回のテーマは「室生寺を描く」である。この辺りには何回か来ているが、お寺へは1度しか入ったことがないので「今日は五重塔でも描こうか」と門まで行った。しかし、やはりその気にならずUターン、仲間のガクさんと2人で背後の高みに登った。ちょうど境内が見下ろせるポイントがあったので「ここから描いても”室生寺を描く”に違いなかろう」と勝手に解釈。これで五重塔が見えれば完璧と思ったが、小ぶりな塔は残念ながら杉の木立に隠れている。  
 
 
   
  「室生寺」付近(宇陀市室生)2018.05.10    36×51p  
  室生寺スケッチ会の2枚目。室生寺を見下ろすような位置に室生公園が整備されているので、そこへ移動した。この場所からだと、お寺よりその手前にある室生の集落の方が主役になり、周辺に住む人たちの生活がうかがい知れる。家々の間には小さな田んぼが散らばり、すでに田植えが終わっていた。  
 
 
   
  室生の春(宇陀市室生)2018.05.10    36×51p  
  室生寺スケッチ会3枚目。室生寺の東北斜面に広がる室生集落の家並みが気に入って、過去にスケッチしている(下の絵)が、今回はこれに水を張った田んぼが加わり、大満足であった。田植えはすでに終わっていたが、苗が小さくて遠目にはまだ目立たない。田んぼの持ち主と思われる方が、見回りに来た。  
 
 
   
  室生寺の門前(宇陀市室生)2018.05.10    F6  
  室生寺の入り口に赤い欄干の橋があり、その付近には土産物屋や旅館、食堂などが並んでいる。1本下流の橋の上から見たアングルが面白いと思った。しかし、この日は午後3時半のバスで引き揚げるとのことで時間不足。写真に撮り、自宅で描いた。  
 
 
向渕A(宇陀市室生向渕)    2015.03.13      36×51p
この日は晴天で暖かくなるとの予報だったので、少し遠出する気になった。行先には2014年11月に描き残した気分がしていた奈良県の旧室生村を選び、名阪国道の針インターから室生口大野へ向かう途中で見つけた「向渕」(むこうぢ)へ直行した。11月にはこの絵に描いた集落の上部を横切る道からこちら向きに描いたのだが、その時に谷を挟んだ反対側からも絵になると予想した。その予想は大当たりで、とくにひな壇状に並ぶ家並みと背景に見える岩山の組み合わせが面白い。しかし、色が地味な冬山の表現は難しく、大いにてこずった。向渕に何か特記事項はないかとネットで調べたら、地区内に天然記念物指定のスズラン自生南限地があるとか。

初瀬街道の宿場町・旧琴引@(宇陀市室生三本松)    2015.03.13      F6 
初瀬街道沿いに宿場町だった村々が連なっており、現在はまとめて宇陀市室生三本松と呼ばれているが、以前は長瀬、中村、琴引などそれぞれの集落の名前で呼ばれていた。2014年年11月にそのうちの長瀬と中村で描いたが、一番西にある琴引だけ描き残していた。琴引はとくに宿場町の雰囲気がよく残っており、各家々は昔の屋号を書いた大きな表札を掲げて、旅人の気分を味わえる演出をしている。

初瀬街道の宿場町・旧琴引A(宇陀市室生三本松)    2015.03.13      F6
室生三本松・旧琴引の山側には石垣を築いた見事な棚田が広がっていた。その棚田の間の道を登って、日当たりのよい田んぼの畔に座った。そこから見下ろす旧宿場町の家並みが面白い。初瀬街道は、現在の奈良県桜井市から三重県松阪市まで、国道165号線、近鉄大阪線と絡み合いながら続いているが、この場所では一番高い所を旧街道が通り、その下を近鉄、一番下を国道が通っている。物音一つしない静かな山里だが、時折、電車が通り過ぎる轟音が聞こえた。家並みより一段下に線路があるので電車の姿は見えないが、大阪と名古屋や伊勢を結ぶ特急だろうか。

室生寺あたりA(宇陀市室生)    2015.03.13      25×41p
室生三本松でスケッチ後、せっかくだからと室生寺近くまで行ってみた。2002年秋に悠彩会のスケッチ会が室生寺周辺で開かれたことがある(↓の絵)。その時の記憶を頼りに、お寺の手前から坂道を登った。お寺を含む周辺の地区は「宇陀市室生」といい、棚田の中に民家が並ぶ素晴らしい農村風景が広がっていた。集落や室生寺を見渡すことができる高台が公園として整備されており、傾きかけた陽の光を浴びながら、その公園からスケッチした。

室生寺あたりB(宇陀市室生)    2015.03.13      F6 
高みから室生地区のスケッチをした後、その集落の中へ入ってみた。すでに集落全体が日陰になっていたが、構図的に面白いのでもう1枚欲張って走り描きした。室生寺は大観光地だが、まだ観光シーズンとは言えないため、お寺の門前に並ぶ食堂などもほとんど店を閉めたまま。バス停にも人影がない。車を止めた駐車場も、ぜひ駐車料金を払いたいと思ったのに、料金を徴収する人がいなかった。

初瀬街道の宿場町・旧長瀬(宇陀市室生三本松)     2014.11.08       F6 
テレビで紅葉情報を見ていて、ちょっと遠いが室生寺の近くへ行く気になった。とりあえず、旧初瀬街道(伊勢街道)沿いに古い町並みが残るという室生三本松の旧長瀬地区へ。国道165号線に旧街道がまとわりつくように続いている。かつて伊勢参りのお客で賑わったであろう街道筋の小さな集落には、昔はいろんな商売をしていたらしい伝統的な建物が続くが、なかには無住らしい家も目立つ。車で通り過ぎる人に「どうしてこんな場所でスケッチしているの」と不審な目で見られながら、まず1枚。反対向きに座れば紅葉した山も見えたが、残念ながら季節感のない絵になってしまった。

初瀬街道の宿場町・旧中村(宇陀市室生三本松)     2014.11.08       F6 
国道165線を少し引き返して道の駅・宇陀路室生に駐車、旧初瀬街道を少しだけ歩いてみた。この辺りは現在は宇陀市室生三本松○○番地という住居表示だが、かつては三本松地区の中心集落・中村だった。一番高い所を近鉄電車が走り三本松駅がある。その下の斜面を旧街道が通り、さらに低いところに現在の国道と宇陀川の流れがあるという立体的な地形になっている。旧街道沿いのいかにも重厚な民家に焦点を当てて描いた。

向渕@(宇陀市室生向渕)    2014.11.08       36×51p
旧初瀬街道をもう少し西へ進めば魅力的な町並みがありそうだった。帰宅後、ネットで調べたら事実その通りだったが、三本松へ来る途中で印象に残る集落があったので、そちらを優先することにした。西名阪の針インターから三本松に向かう県道28号線沿いにある向渕という集落で「むこうぢ」と読むらしい。谷を挟んだ斜面に二つの集落が広がっており、棚田の中に点在する家並みが美しい。秋の日は短く、1枚しか描けなかったが、谷を渡った向こう側からこちらを眺めた風景も描きたかった。

室生寺あたり@(室生村)02・10・12          36×51cm
室生寺周辺で悠彩会のスケッチ会が開かれた。室生寺そのものを描きに行った仲間もあったが、寺の少し手前から少し登ると、いかにものんびりとした田園風景が広がっていた。これ以上望めないという好天の下で、気持ちよくこの一枚を仕上げた。女人高野とも呼ばれる室生寺には法隆寺の五重塔に次ぐ古さを誇る小ぶりな五重塔がある。この塔は98年9月の台風で大きく壊れたが、00年10月に修復工事が完成したという。この時は結局お寺には行かずじまいだったため、この塔を眺めることもなかった。
 
 
 
室生寺の境内には一度だけ入ったことがある。古いスケッチブックをめくっていたら、こんな絵が出てきた。「1989」との書き込みがあるが、多分下の絵の同じ日に描いたものだと思う。


                室生寺金堂 1989.09.16 F4
 

絵が1枚ではページとして寂しいので、古い絵を探してきた。室生口大野駅を降りてすぐ、室生寺に向かう道から川の対岸に磨崖仏が見える。


大野寺石仏(室生村)89・09・16 葉書絵

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