奈良県

曽爾(曽爾村)

曽爾村は奈良県の東端、三重県との県境に位置し、壮大な柱状節理の屏風岩やユニークな形の鎧岳、兜岳、ススキの曽爾高原などの観光スポットで知られる。村の南部を伊勢本街道が通り、山粕の宿場はかつて伊勢参りの客で殷賑を極めたといわれる。

鎧岳(曽爾村葛=かつら)    2015.09.21    36×51p
シルバーウィークと呼ばれる大型連休が始まったが、道路も混みそうなので自宅でじっとしているつもりだった。しかし、あまりにも気持ちのよさそうな天気が続く。たまたま知人から奈良県曽爾村の観光マップをもらっていたこともあり、一度行ってみたくなった。実はスケッチを始めた1989年に曽爾村を訪問したことがあり、とても特徴のある形をした「鎧岳」を描いた葉書大のスケッチが残っている(←に掲載)。曽根村はそれ以来である。グーグルのストリートビューで「家並みと鎧岳の組み合わせが面白いのはここ」としっかり下見し、このポイントへ直行した。




                                                                                              
                              今回はFさんも誘った。その証拠写真→→


曽爾高原から(曽爾村太良路)    2015.09.21    F6
ススキの季節には少し早いが曽爾村と言えばやはり曽爾高原だろうと山道を登った。大型連休中とあって高原入り口の駐車場は大混雑である。ススキの原っぱは私向きの題材ではなさそうなので、なるべくスケッチ用の荷物は軽くして歩き始めた。少し高い場所に上ると見晴らしが抜群である。左から屏風岩、国見山、兜岳と曽爾村を代表する山々が並び、右端の象の頭のような形をしたのが先ほど描いた鎧岳である。その麓の斜面には黄金色の棚田が広がっていた。

曽爾高原(曽爾村太良路)    2015.09.21    23×41p 
曽爾高原から曽爾村の展望を描いた後、同じ場所で回れ右をして曽爾高原の風景に挑戦した。中央に見えるのは「お亀池」というそうだが、草が茂って水面は見えない。大型連休中とあってたくさんの人が散策や食事を楽しでいる。ただ、私には建物のないこうした風景の表現方法が分からない。せめてもと、右端に小さくトタン葺きの休憩小屋を描き込んでおいた。

伊勢本街道・山粕宿(曽爾村山粕)    2015.09.21    F6
曽爾村を「伊勢本街道」が通っていた。伊勢本街道は数多くある伊勢街道の一つで、大坂・玉造と伊勢神宮を結んでおり、曽爾村南部を少しかすめてすぐに東隣の御杖村へに抜けていた。曽爾には山粕(やまがす)宿があって、かつては大変な賑わいだったという。今はそうした名残は全く感じられず、旧街道に沿っていかにものんびりとした山村風景が広がっていた。3軒並んだ元茅葺屋根が印象的。

屏風岩の麓(曽爾村長野)    2015.09.21    F6
曽爾村で残るもう一つの名所・屏風岩へ「観光目的」で行くことにした。地図に「屏風岩公苑」というのが載っており、そこを訪ねた。恐ろしいほどの狭い急坂を登ったが、到着してみると、見上げる屏風岩はいかにも迫力がある。公苑もよく整備されており、気持ちよく散策した。もともとスケッチをする積りはなかったが、下山途中にふと振り返ると、屏風岩を背景にした旧家があり手前の棚田の稲も美しいので、ついもう1枚描く気になった。

引き続き滋賀県へお進みください滋賀県大津市坂本へ
「近畿の旅3」(奈良、滋賀)の目次へ